こんにちは。なぎさんちです。
今回は前回の続き。階段下収納の棚製作その2です。
前回の記事はこちらから。
今回は棚板の選定からお話していきます。
棚板の選定??
木ならなんでも良いんじゃないの?
なんでも良いわけではありません。
目的・用途に応じて選択する必要があります。
何を乗せる棚なのかにもよりますが、棚は基本的に反ってしまったら困ります。
厚みの無いベニヤ板などではすぐにだめになってしまうでしょう。
少し説明します。
棚板材の選定
木材はここに書ききれないくらい種類があり多種多様であることから、ここでは代表的な木材について説明します。
無垢材
まずは無垢材です。無垢材とは、天然の木を切り出して板状にしたもので、無垢という名の通り木材をそのまま使用した材料のことです。
無垢材のフローリングなどよく聞くことがあるかと思いますが、手入れされた無垢材は肌触りがよく、木特有のやすらぐ香りなどで人気があります。
材料の性質としては、柔らかく、傷付きやすいです。またあまり大きな幅・奥行で売っていることは少ないです。あったとしても非常に高額である為、小さな棚であれば良いですが、450mmの奥行の棚にはあまりお勧めできません。
ちなみに、よくDIYで聞く2×4(ツーバイフォー)材も無垢材の一種です。
集成材
次に集成材です。字のごとく、小さな木を集めて形を成している材です。無垢材に比べて強度が高く、品質が均一であることが特徴です。構造用集成材と造作用集成材に大別され、構造用は住宅などの柱や梁(はり)に使用され、造作用は、家具や内装に使用されます。
造作用集成材はホームセンターにも多くの取り扱いがあり、比較的大きな材でも入手しやすいです。
合板
集成材と似ていますが、意味合いが違います。合板は薄い材(ベニヤ板など)を貼り合わせて厚みを持たせたものです。種類が多く、物によっては金額も安い為、DIYでも多く使用されています。
中でも以下の物がよく使用されています。
- 構造用合板 ・・・ 住宅などの壁や床、天井などの下地として使用されています。
- 針葉樹合板
- OSB合板 など多種多様です。
- コンクリート型枠用合板 ・・・ コンパネと呼ばれ、コンクリートを流し込むときの型枠として使用されます。
種類が沢山あるのはわかったけど、
結局どれにしたらいいの??
安さ重視なら「合板」
見た目重視なら「無垢材」
その中間が「集成材」
といった感じでしょうか。
集成材の種類
集成材は、樹種によって性質や見た目はもちろん、入手のしやすさ、加工のしやすさも変わります。
一般的に、針葉樹は軽くて柔らかい。広葉樹は重くて硬いという特徴があります。
ここでは、ホームセンターで入手できる代表的な集成材を紹介します。
メルクシパイン集成材
パイン(=マツ)の集成材。針葉樹。ホームセンターでもよく見かけます。見た目は白く、軽くて柔らかいのが特徴。DIYで良く使用される集成材です。
アカマツ集成材
パイン集成材と同じくマツ科の集成材。針葉樹。ヤニが出やすいのが難点だが、湿気に強い。
スギ集成材
日本の代表的な針葉樹。花粉のシーズンにはやっかいなスギ。節があるものは比較的安価です。
タモ集成材
広葉樹の集成材。木目がきれいで年輪がはっきりとでる。高級な家具などに使用されることが多い。大型のホームセンターではたまに見かけます。
これらを踏まえ、あとは実際にお店に行って、見た目と金額で選ぶと良いでしょう。
この木いいなぁ…と思っても高い!ということはよくあります。
実際に購入した木材
実際購入した木材はこれです。
杉のムクボードです。ビバホームで購入しました。
これは、長い無垢材の杉をつなぎ合わせて作ってある集成材です。
無垢材か集成材かわかりづらいですが、無垢材のいいところを残した集成材といったところでしょう。
大きさは、「1820×910×24」です。なんと24mmも厚さがあります。
それでこの金額は破格です。
(ひとむかし前はもっと安かったです。今はもっと高いと思います。)
なぜムクボードをえらんだか。
無垢のあたたかみがあり、なによりもコスパが良かったからです。
ムクボードのコスパの良さ
今回棚板は合計で4枚必要になります。多少寸法は異なりますが1枚当たり「450×770×厚み」の大きさです。
ムクボードの「1820×910×24」というサイズだと、この板を1枚買えばすべて切り出せます。
こんな具合です。
某ホームセンターのサイトで、メルクシパイン集成材で同じくらいのサイズの金額を見てみると、
なんと税込10,780円です。
もちろんパイン集成材の見た目が気に入っていたりなど理由があれば別ですが、高すぎます。
棚1枚作れるくらいのサイズだと、
なんと、1枚作るのに3,278円もします。厚みは異なりますが、大きい材の方が少しお得ということですね。
それに比べてムクボードの場合、6,578円で4枚切り出せて、あまりもある。
単位面積(mm2)当たりの金額を計算してみましょう。
ムクボードの面積 1820×910=1656200 mm2 で 金額 6,578円 を割ると、
$$\frac{6578}{1656200}=3.972\times10^{-3} (円/mm^2)$$
ラジアタパイン集成材の場合、 1830×910=1665300 mm2 で金額 10,780円 を割ると
$$\frac{10780}{1665300}=6.473\times10^{-3} (円/mm^2)$$
棚1枚の大きさを 「450×770」 とすると、
ムクボードの場合、
$$3.972\times10^{-3}\times {({450}\times{770})}=1376.298 円$$
ラジアタパイン集成材の場合、
$$6.473\times10^{-3}\times {({450}\times{770})}=2242.895 円$$
その差、約870円。1枚作るのに870円差があるので、
4枚なら870×4=3480円の差が生まれます。
これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれですが、材料の選択でこれだけの差が生まれてきます。
ムクボードのデメリット
デメリットらしいデメリットはあまりないのですが、強いて上げるとするならば、
節が多くあるという点。
天然の木材だからこそのデメリットですが、節が無い箇所を使用するなどして回避できます。
ご覧いただきありがとうございました。
次回は木材のカットです。